ドバイ不動産は「税金ゼロ」「高利回り」といったイメージが先行しがちですが、購入後のランニングコスト次第で実際の手残りは大きく変わります。特に、サービスチャージ(管理費)や冷房費(チラー料金)、電気・水道などの維持費は、物件やエリアによって年間で数十万円単位の差が生まれる重要要因です。
本記事では、RERA(ドバイ不動産規制庁)が定める仕組みや、サービスチャージの相場、物件ごとの特徴によって費用がどう変わるのかを実務的に解説します。購入前にどこを確認すべきかを把握することで、「思ったより利回りが低かった…」という失敗を避けられます。
これからドバイ不動産を検討する日本人投資家に向けて、維持費の全体像とチェックポイントをわかりやすくまとめました。
なぜサービスチャージと維持費が「利回りキラー」になるのか
表面利回りと実質利回りのギャップが大きくなりやすい
ドバイのレジデンスは表面利回りで5〜8%と紹介されることが多いですが、実際にはランニングコストを差し引くと2〜3%ポイント低下するケースも少なくありません。さらに、高級タワーほどアメニティ維持費が高く、実質利回りの差が激しくなりがちです。
そのため、購入前に「家賃」「価格」だけで判断するのは危険で、維持費込みでの収支シミュレーションが必須になります。
税金ゼロでも維持費が重くなる場合がある
ドバイでは不動産取得税(固定資産税)、キャピタルゲイン税、所得税が個人に課されません。その一方で、建物の維持を共同で負担する仕組みが確立されており、特に共用施設の多いタワーでは年間のサービスチャージが実質的な“税金の代わり”のような役割を持つこともあります。
サービスチャージとは?仕組みと相場を理解する
サービスチャージの位置づけとオーナーの支払い義務
サービスチャージとは、建物やコミュニティの共用部分を維持するためにオーナーが毎年支払う管理費です。これはドバイ政府の機関である RERA(Real Estate Regulatory Agency)がルールを定めており、区分所有物件(Jointly Owned Property)のオーナーには支払い義務があります。
また、サービスチャージの金額は「共用施設の数」「建物グレード」「デベロッパー」「エリア」の影響を強く受けます。豪華なアメニティを売りにするタワーほどコストは高くなります。
相場:年間 AED 3〜30 / sqft が一般的
ドバイ全体のサービスチャージ相場は、年間 AED 3〜30 / sqftの範囲に収まることが多いです。例えば 1,000 sqft の物件なら、年間AED 3,000〜30,000(約12万〜120万円)が目安です。
以下のような傾向があります。
- 高級タワー(プール複数、ジム、スカイラウンジ…) → 単価が高くなりやすい
- シンプルなタワーや低層コミュニティ → 単価は比較的低い
- 新築・築浅はやや高め、築年数が経つと維持費が増えることも
サービスチャージで賄われる主な費用
サービスチャージに含まれる典型的な項目は以下のとおりです。
- 24時間セキュリティ
- 清掃・ランドスケープ
- 共用部分の電気・水道代
- プール・ジムなどアメニティ維持
- レセプション・コンシェルジュ
- 管理会社フィー
- 修繕積立(sinking fund)
特に「セキュリティ」「アメニティ維持」「共用電気」は物件の性質によって大きく変わるため、サービスチャージ単価の違いに直結します。
サービスチャージ以外にかかる主な維持費
冷房費(Chiller Fee)と電気・水道(DEWA)
ドバイの特徴的なランニングコストとして冷房費(Chiller Fee)があります。建物によっては「冷房込み(チラー込み)」のケース、「別途請求」のケースがあり、後者の場合は夏季にコストが跳ね上がることもあります。
また、電気・水道は DEWA(Dubai Electricity and Water Authority)が請求するもので、入居時に保証金の預け入れが必要です。毎月の使用料金は家族構成や生活スタイルによって大きく変動します。
デベロッパー手数料・保険・管理代行費用
サービスチャージ以外にも、オーナーとして支払う可能性がある費用はいくつか存在します。特に賃貸運用を行う場合は、次のコストも事前に把握しておく必要があります。
- 保険料(建物・火災・家財など)
- プロパティマネジメント費用(賃貸管理を外部委託する場合)
- デベロッパー/コミュニティの更新料・管理関連費用
- 設備修理/メンテナンス費用
特に短期賃貸(Airbnb など)を行う場合は、管理会社を利用するケースが多く、手数料率が高めになるため、運用戦略に合わせて費用構造を理解しておくことが重要です。
RERAの Service Charge Index を使って物件ごとの単価を確認する
サービスチャージの水準は物件によって大きく異なるため、購入前に RERA(ドバイ不動産規制庁)が公開するService Charge Indexを確認するのが有効です。各物件の管理費単価や推移を把握できるため、利回りの事前予測が正確になります。
どこで見られる?(DLD / Dubai REST)
最新のサービスチャージは、以下で確認できます。
- Dubai REST アプリ
- DLD(Dubai Land Department)公式サイトの Service Charge Index
物件名やデベロッパー名で検索すると、コミュニティごとの管理費単価(AED/sqft)が一覧で表示されます。
比較のポイント:冷房込みか、年度はいつか
単価を見る際は、次の点に注意しましょう。
- 冷房費(Chiller)が含まれているか
- 対象年度(予算か実績か)
- アメニティの数とグレード
- 築年数と修繕履歴
単価が高い物件には理由があります。高級アメニティが多い、24時間コンシェルジュ体制、ホテルレジデンス仕様など、物件の特徴を踏まえて判断することが大切です。
維持費の違いでどれくらい利回りが変わる?簡易シミュレーション
サービスチャージと維持費は、利回りに直接影響します。ここでは、1,000 sqft の2BRを想定して、管理費単価の違いによる利回り差をざっくりと見てみます。
ケース比較:年間 AED 10 vs AED 25 / sqft
年間 AED 10 / sqft の物件(1,000 sqft)
- サービスチャージ:AED 10,000
- その他維持費: AED 6,000〜10,000 程度
- 合計: AED 16,000〜20,000
年間 AED 25 / sqft の物件(1,000 sqft)
- サービスチャージ:AED 25,000
- その他維持費: AED 10,000〜15,000 程度
- 合計: AED 35,000〜40,000
このように、同じ広さでも年間で2倍以上の差が出ることがあります。家賃が年間 AED 90,000 の物件であれば、維持費の差はそのまま実質利回り 2〜3%の差に直結します。
豪華タワーは「アメニティが利回りを削る」
スカイプール、複数のジム、ホテルライクなロビーなどを備えた高級タワーは、居住満足度は高いものの維持費が増えやすく、賃貸需要とのバランスによっては利回りが伸びにくくなるケースもあります。
投資目的であれば、アメニティの豪華さよりも、その設備がどれだけ賃料に反映されるかを冷静に見極めることが重要です。
日本のマンション管理費との違い(ざっくり比較)
日本のマンションにも管理費・修繕積立金はありますが、金額の基準や費目の構造が異なります。日本では固定資産税(毎年1〜2%程度)がかかる一方、ドバイは税金ゼロで、その分を補うようにサービスチャージが収支に直結します。
つまり、日本では「税金+管理費+修繕積立」を総合的に見る必要がありますが、ドバイの場合は“維持費そのもの”の影響がより大きい点に注意が必要です。
購入前に確認したい項目リスト|質問すべきこと・調べるべきこと
最低限チェックしておくべき項目
- 直近のサービスチャージ単価(AED/sqft)
- 冷房費が含まれるかどうか
- 過去数年間の単価の変動
- アメニティの数と内容
- 修繕積立(sinking fund)の有無と積み立て状況
- 築年数と過去の修繕履歴
不動産会社・デベロッパーに聞くべき具体的な質問例
- この物件のサービスチャージは他の物件と比べて高い(安い)理由は?
- サービスチャージの中に冷房費は含まれますか?
- 過去3年間で単価はどう変動しましたか?
- 修繕積立はどれくらい積まれていますか?
- 今後予定されている大規模修繕はありますか?
こうした項目を事前に確認することで、大きなミスマッチを避け、利回りのブレを最小限に抑えることができます。
まとめ|維持費の理解は“良い物件選び”の第一歩
ドバイ不動産では税金がない分、サービスチャージ・冷房費・管理費などのランニングコストが収益に大きく影響します。物件によって年間数十万円規模の差が生まれるため、購入前に維持費をしっかり確認しておくことが重要です。
実際の案件ごとに維持費や利回りシミュレーションを確認したい方は、お気軽にご相談ください。
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