ドバイ物件購入後に必要な準備と賢い維持管理のポイント

ドバイ不動産

ドバイで物件を購入した後、「次に何をすればいいのか分からない」という声は多く聞かれます。契約書へのサインで完了する日本の不動産購入と異なり、ドバイではその後に行うべき手続きや選択肢が非常に多岐にわたります。また、自分で住むのか、貸し出すのか、現地にいるのか海外にいるのかによっても管理の仕方は大きく異なります。本記事では、ドバイで物件を購入したあとのリアルな流れと、賢く物件を維持・活用するための管理術について、具体的に解説します。

1. ドバイ不動産購入後にまず行うべき手続きとは?

物件購入後、まず行うのが所有権の移転登録(Title Deed)です。これはドバイ・ランド・デパートメント(DLD)で行い、正式にあなたがオーナーであることを証明する重要な手続きです。その際、パスポート、売買契約書(SPA)、支払証明書などが必要になります。

また、DEWA(水道・電気)アカウントの開設または名義変更も行いましょう。オンラインでも可能ですが、必要書類としてTitle Deedまたは売買契約書、パスポート、エミレーツIDなどが求められます。

2. 居住用として利用する場合の流れと注意点

自ら住む場合、まず内装・家具の設置が必要です。完成物件でも家具付きでないケースが多いため、ベッドやソファ、家電製品(冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど)を手配する必要があります。ドバイはIKEAやHome Centreなどの大型家具店が豊富です。

さらに、インターネットや携帯電話の契約(Etisalatやduなど)、Nolカード(交通ICカード)取得、医療機関の登録なども早めに済ませると生活がスムーズに始められます。

建物の規則や管理会社との連携も重要です。住民向けのルール(バルコニーの利用、駐車場、ペット可否など)を把握し、トラブルを防ぎましょう。

3. 賃貸運用をする場合の流れ(長期/短期)

住まずに貸す場合、まず必要なのはEjari(エジャリ)登録です。これはドバイ政府の賃貸契約登録制度で、正規の賃貸をする上で必須です。

長期賃貸(1年契約が主流)の場合、不動産仲介会社に依頼してテナントを探し、契約とEjari登録を行います。家賃は年払いが一般的ですが、近年は3〜4回分割の支払いを認める大家も増えています。

短期貸し(Airbnbなど)の場合、DTCM(ドバイ観光商務庁)のライセンス登録が必要です。物件のタイプや地域によって取得可否や条件が異なるため、プロパティマネジメント会社を通じて申請・運用するケースが多いです。

4. 不在時の管理はどうする?現地を離れても安心な方法

海外在住で物件に常駐できない場合、プロパティマネジメント会社の活用が推奨されます。彼らは家賃回収、メンテナンス、テナントとのやり取り、定期点検などを代行してくれます。

また、管理費(Service Charge)の支払い忘れがあると水道停止などのトラブルが発生することもあるため、オンラインで支払い状況を確認・処理できるようにしておくと安心です。

ドバイでは、所有者が他国にいても問題なく物件運用が可能な体制が整っています。定期的な報告をくれる信頼できる会社を選ぶのが重要です。

5. 必要書類と支払いの流れ

購入後の所有権移転や管理開始にあたり、提出が求められる主な書類や費用は以下の通りです。

  • パスポート・ビザのコピー:本人確認書類として必須です。
  • 売買契約書(SPA):DLD登録やDEWA契約時に必要です。
  • Title Deed(所有証明書):不動産引き渡し後に発行されます。
  • 費用例
    • DEWA初期登録費用:約2,000〜4,000 AED(保証金含む)
    • サービスチャージ(管理費):年間で物件価格の1〜3%が目安
    • 家具・家電の導入費:予算により異なりますが、最低でも2万AED以上

ドバイでは所得税や固定資産税はかかりませんが、以下の点に留意が必要です。

  • VAT(付加価値税):新築物件(一次販売)のみ5%のVATが課税されます。中古物件は非課税。
  • サービスチャージへのVAT:共用部管理費などにはVATが含まれることがあります。
  • 非居住者の税務:日本在住者は日本側の課税対象になる場合があり、税理士など専門家への相談が推奨されます。

また、Ejariの登録義務や、短期賃貸時のDTCMライセンスなど、行政的な届出も忘れずに対応しましょう。

7. よくあるトラブルと回避策

  • 完成遅延・引き渡しのズレ:オフプラン物件では遅延が起こることもあるため、進捗確認と契約内容の見直しを。
  • 管理不備・共用部トラブル:サービスチャージを支払っていても管理が行き届かないケースがあります。デベロッパーや管理会社の評判を事前確認しましょう。
  • テナントとの契約違反:Ejariに登録していない契約は法的保護が弱くなるため、正式な手続きを必ず行いましょう。

管理会社との明確な契約と、自身でも定期的な状況確認を行うことで、リスクを最小限に抑えることが可能です。

8. まとめ|購入後の運用こそが成功のカギ

ドバイで物件を購入することはスタートに過ぎません。購入後の管理や活用方法によって、資産の価値や収益性が大きく変わります。

  • 居住・運用・放置…どのパターンでも手続きと管理は必須
  • 現地との連携を意識し、トラブル対策と透明な運用がカギ
  • 法的義務や税制も踏まえ、正しい知識を持って運用を

不動産購入後の流れや管理について不安がある方は、信頼できるプロパティマネジメント会社や専門アドバイザーに相談するのも有効です。