2026年1月、サウジアラビアで「外国人による不動産保有」に関する新しい枠組みが施行されました(2025年7月の勅令に基づく新法)。 これまでサウジ不動産は、外国人が自由に取得できる市場とは言いづらい面がありましたが、制度の明確化・手続き整備が進み、海外投資家にとって検討余地が広がっています。
この記事では、日本人投資家向けに「今回の法改正で何が変わったのか」「どんな制限・コストがあるのか」「実務的にどこを確認すべきか」を、公式情報ベースで整理します。
2026年1月施行:何が起きた?(ざっくり全体像)
サウジ当局(REGA:Real Estate General Authority)が公表しているQ&Aによると、今回の更新法は、外国人(個人・法人等)がサウジ国内で不動産を取得するための「制度の枠組み」と「管理・規制(指定エリア、登録、情報開示、罰則など)」を整理したものです。 目的としては、海外投資の呼び込み、GDPへの寄与、都市生活の質向上などが挙げられています。
施行時期は2026年1月とされ、所有が許可される地理的範囲(Geographic Scope)や、詳細な実務は実施規則・地理範囲文書で明確化される、という設計です。
参考:REGA公式Q&A、国際法律事務所の解説(White & Case / Curtis / Pinsent Masons 等):contentReference[oaicite:1]{index=1}
外国人(非サウジ)で「誰が」取得できる?
REGAの公式Q&Aでは、取得可能なカテゴリとして、少なくとも以下が示されています。
- 非サウジの自然人(居住者・非居住者を含む)
- 非サウジ企業(国内で事業をしている/していないを問わない)
- 非サウジの非営利団体
- 国際機関・ミッション(相互主義・外務省承認など条件あり)
- 非サウジ株主を含むサウジ企業
- SPV、ファンド等(非サウジ持分を含むもの)
ポイントは、「非居住者の個人」も想定に入っていること。旧来よりも“入口”は広く見えます。 ただし、実際にどのエリアで、どの権利形態で、どの程度の上限で取得できるかは、地理範囲文書と実施規則が前提になります。
出典:REGA公式Q&A:contentReference[oaicite:2]{index=2}
「どこで」買える?:指定エリア(Geographic Scope)がカギ
外国人が取得できる場所は、全土で一律に自由というより、「指定された地理的範囲」に基づいて整理される建て付けです。 REGAは、リヤド、ジェッダ、マッカ、マディーナ等を含む各都市について、地図・上限・権利内容などを示す文書が用意される旨を示しています。
また、マッカおよびマディーナについては、所有できる主体に宗教上の制限がある(ムスリム個人等)ことが明示されています。
出典:REGA公式Q&A:contentReference[oaicite:3]{index=3}
「何を」買える?:所有権だけでなく用益権(usufruct)等も対象
REGAのQ&Aでは、外国人が取得できる権利形態として「所有権(完全所有)」に加え、用益権や地役権などの物権(in-rem rights)が挙げられています。 これは実務的に重要で、エリアや案件によっては「所有権」ではなく「用益権(一定期間の利用権)」で設計される可能性があります。
出典:REGA公式Q&A:contentReference[oaicite:4]{index=4}
実務上の必須条件:登記(in-kind registration)と情報開示
今回の枠組みでは、不動産登記(Real Estate Registry への in-kind registration) が強く前提化されています。 また、必要情報の完全開示や、実施規則への適合が求められます。
日本人投資家としては、購入可否だけでなく、
- 登記の種類(区分ごとの登記の有無)
- 開示すべき情報(個人・法人・資金源等)
- 購入後の譲渡・賃貸・管理の制限
を、エリア・案件ごとに確認するのが現実的です。
出典:REGA公式Q&A:contentReference[oaicite:5]{index=5}
コスト面:税・手数料はどう見るべき?(10%の扱いに注意)
REGAのQ&Aでは、非サウジによる不動産処分(disposition)に関し、合計10%のフィーに言及があります。 内訳は、5%の不動産処分税(RETT)+追加フィー(上限5%)という整理です。
ここは誤解が起きやすいので注意点:
- どの取引(購入時/売却時/特定の権利移転時)に適用されるかは、案件と実施規則の確認が必要
- 「上限5%」の追加フィーは、実務の運用(どのケースで何%か)を必ずチェック
出典:REGA公式Q&A:contentReference[oaicite:6]{index=6}
罰則・コンプラ:虚偽申告はかなり重い
公式Q&Aでは、違反に対する罰則や審査委員会の設置、虚偽情報の提供などに対する制裁が示されています。 特に「虚偽情報」に関しては、高額の罰金(最大SAR 10,000,000)や競売による売却などが示唆されています。
海外投資家にとっては、“買えるか”だけでなく、コンプライアンス(情報整合・資金説明・書類の正確性) が投資成否を左右しやすくなります。
出典:REGA公式Q&A:contentReference[oaicite:7]{index=7}
日本人投資家向け:次に見るべきチェックリスト
- ① エリア:地理範囲文書で「外国人が買える場所」か
- ② 権利形態:所有権か、用益権(期間・更新・譲渡条件は?)か
- ③ 登記:登記できる物件か(区分登記・権利の記載内容)
- ④ コスト:RETTや追加フィーの適用タイミングと税率
- ⑤ 出口:売却時の制限(買主制限・手続・課税)
- ⑥ 管理:運用(賃貸・管理会社・短期賃貸可否)
サウジは「国家主導の成長ストーリー」が魅力ですが、制度設計が進行中の部分もあるので、最初から“ドバイと同じノリ”で見ない方が安全です。
まとめ:2026年1月施行は「入口拡大」だが、勝負は実施規則と指定エリア
2026年1月からの制度更新により、外国人(非サウジ)の不動産取得は、枠組みとして明確化が進みました。 一方で、実務の可否・条件は「指定エリア」「権利形態」「登記」「税・フィー」「売却時の扱い」など、案件ごとの確認が不可欠です。
Exgrowでは、サウジ案件についても「買える/買えない」だけでなく、出口やコストまで含めて検討整理する前提で情報を整理していきます。 個別案件の条件確認が必要な場合は、お気軽にご相談ください。
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